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冬が来る前に

 毎年恒例、冬芝の種まきによる芝生の養生が終了。園庭オープンに合わせて、青空のもとで、秋の味覚を楽しもうと収穫祭を企画したのですが、当日は、あいにくの雨模様。あんなに晴天が続いていたのに、月末の予報はなぜだかスッキリしない空模様が続くようです。

 仕方がないので、ホールにコンロやホットプレートを並べて、秋の恵に火を通していくと、少し焦げたような匂いをまといながら、秋刀魚、きのこ、柿…秋の香りが、部屋から部屋へと広がっていきました。食欲もそそるこの香りに、ゆく秋を惜しみながら…。

 食材に限らず、私たちに様々な恵をもたらしてくれたこの秋を振り返った時、印象深い出来事がありました。

 それは、お向かいの宮上小学校の先生方が、保育の様子を見学にきてくれて、私の案内に興味深く耳を傾けてくれたことです。

 八王子市には、「八王子市保幼小子育て連絡協議会」という、就学前後の教育・保育機関(保育園、幼稚園、学童保育所、小学校等)によるネットワーク組織があります。そして、近隣の学校とチームを組み(宮上小&多摩なかよし幼稚園&誠美保育園)、就学前後の円滑な接続を目指して、教職員の交流や協議を重ねています。

 ただ実際には、それぞれが保育や授業を進めながらとなるので、まずは、互いの活動の様子を見合うということひとつとっても、ましてやテーブルを囲む協議の場を調整するとなればなおさら、そこには、かなりの工夫がいることなのです。

 にもかかわらず、事前に、互いにの公開可能な研究保育・研究授業の日程を交換する中で、来園が実現できたこと、さらには、午後のカンファレンス(実践検討会)にも参加していただいたことは、私にとって、この秋のとても感慨深い、そしてとても感激した出来事でした。

 小学校では、来年度の4月から、幼児期の園生活と学校生活をつなぐため、新一年生を対象とした「スタートカリキュラム」という新しい仕組みが導入されます(先行実施している学校もあるようです。)。

 これは、「 幼稚園・保育所・認定こども園などの遊びや生活を通した学びと育ち」の上に編成されるカリキュラムとのことで、そういう意味において、

 「ゼロからのスタートではない!」

 がキャッチフレーズ。園側のあり方も問われる、身の引き締まるお言葉です。

 そしてこれもひと月ほど前のこと。先の保幼小子育て連絡協議会で、このスタートカリキュラムに、先んじて取り組んでこられた横浜市立小学校の校長先生をお招きし、お話をお聞きする機会がありました。

 ここでも、遊びや生活体験を土台とした幼児教育・保育のエッセンスを懸命に探りながら、新たなカリキュラム作りに奮闘されている先生方の姿に、感銘を受ける時間となりました。

 社会の、世界の変容を支えるように、はたまた、期待感に溢れた新たな歩を生み出すために、緩やかに、でも確実に何かを変えていく…教育・保育の世界にもその胎動を感じています。

 そしてなんと、11月30日(土)午後9時、NHK Eテレ「すくすく子育て」で、その横浜市の、保幼小の連携やスタートカリキュラムに取り組む様子が、紹介されると耳にしました。(http://www.nhk.or.jp/sukusuku/)

 この偶然もまた、この秋が別れ際に恵んでくれた…置き土産なのでしょうか。

(令和元年11月号 園だより「ひぐらし」より)

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