フィード
投稿
コメント

●ごと▲する■

IMG 8882

かぜグループ(3〜5歳児)だけで実施する初めての運動会。(0〜2歳児のご家庭は、ぜひ応援に来てください!)

昨年までも、演目ごとに、子どもたちの選択やアイデアで構成するようなことはあったのですが、このせっかくのリニューアルを機会に、新たな挑戦として、今回は、年長児を中心に、運動会の企画・構成の段階から全面的に参画してもらえないだろうかと考えてみました。

子どもと相談しながら、日々の活動を展開したり、一緒に環境を作ったりすることは私たちの日常です。ですが、保護者も参観する行事全体を、子どもたちに相談する経験は初めてなので、期待や不安、手応えや戸惑いが交錯する、私たち保育者にとっても、いつも以上に新鮮で刺激的なプロセスを歩んできました。

担任以外の保育者も関わりながら、演目の企画・構成も含めた様々なプロセスの記録…これ全体が「運動会そのもの」なのですが…1階ホールに掲示、ファイリングされていますので、ぜひご覧になってください。

また、その裏側で共に歩んだ保育者たちの思いを届けたくて、関係者たちに緊急取材を試みましたので、お読み下さい。

「夢中になれる毎日」を土台に運動会を考えた時、子どもたちの「参画」は重要だと感じました。まずは、運動会に対する保育者の率直な思いも含め、子どもたちに真正面から相談を投げかけてみたところ、過去の運動会を思い返しながら、「みんなを集める方法」「親子(準備)体操の内容」「親子競技の内容」「一般(かぜグループ以外)競技の内容」が検討事項として上がり、それを4グループに分かれて具体化していくことになったのです。また、何を披露しようかとの問いかけに、17種の遊びが上がったため、それらをひと月ほどみんなで遊び込んで、それぞれが出たい種目を選んでいくことになりました。
どのように参画してもらうのか、その方法にはまだまだ検討の余地はあるものの、子どもと保育者がある種対等に物事を決めていく面白さと、真正面から問えば、子どもたちは想像以上にしっかりと答えてくれる…そんな手応えを感じる瞬間がありました。
(保育士 A 男性)

「みんなを集める」というのは、子どもたちの中でどんなイメージなのだろう…それを探るための投げかけを進めるうちに、ポスター、招待状、プログラムなどにつながり、グループの方向性が見えてきて…保育者が誘導してしまうことも簡単な状況であるだけに、少しホッとしたのが正直な気持ちでした。
プログラムの製作では、グループメンバーでイメージが共有できた途端、活動がスムーズに進み始め、全員で見通しを持つことが自発性の前提となることを実感しました。他のメンバー以上に、プログラム作りに夢中になる一人の子の存在が、この活動を引っ張っていってくれたような気がします。個々に関心の度合いが違うことが様々なリーダーを産み、多様な活動が広がるのだなと思いました。
子どもたちの参画がどこへ向かうのかが不安だったのですが、こういったダイナミックなプロセスを一緒に楽しもうと気持ちを切り替えてから、活動の見え方が変わっていきました。
(保育士 B 女性)

メンバーそれぞれの「親子(準備)体操」のイメージを自由に語り合う中で、過去の経験が想像以上に子どもたちの中に残っていることや、話題がそれることなく意見交換を続けている姿に驚きました。さすがに何か手がかりが必要だろうと、例年参考にしてきた親子体操の冊子を渡し、そこからみんなで体操の種類を選んでいくことにしたのですが、そうした提示もせず、もっと発想を広げてみてもよかったかな、と後から反省しました。
選んだ体操がうまくできるのかを、実際にやってみようと声が上がったり、選んだ体操の実施順を決める際にも、提案理由を説明しながらやり取りを進める子どもたちの姿を、頼もしく感じました。
保育者は極力口を挟まないことを心がけたのですが、そんな心配はよそに、作り上げることを楽しんでいる子どもたちの姿が印象的でした。
(保育士 C 女性) 

想像を超えた発想力に驚いたのですが、運動会特有の制約で、なかなか種目内容が決定しない状況にもどかしさを感じました。途中、年下の子たちのことも考えて欲しいことを伝えると、「これで決定だね。」と言っていた子が、ハッとした顔をして、思案し直す姿はさすが年長児だなと思いました。
意見が対立する場面もあったのですが、みんなが楽しめることが大事なのだと懸命に説得を続ける子の姿を見て、介入せず見守る覚悟を決めました。互いの意見を認めながら、なんとか着地点を見出そうとする子どもたちの姿に、信じて任せていけばいいことを実感しました。
(保育士 D 女性)

アイデアが次々と広がり話が盛り上がる一方で、どこかへ収束するのかといった不安がよぎりました。話が煮詰まり「次回までに考えておこう」と切り上げても、次のミーティングには、紙にアイデアを書いて持ち寄ってくれる子どもたちの姿が、私の力にもなりました。
「ハイハイ」を使った種目に落ち着きそうになった頃、早く手足を動かす作業に移らせてあげたいと思い、子どもたちの発想に、少し強引に保育者の考えを結びつけたかなと後から反省。子どもたちの溢れる思いに押され、その舵取りの難しさを感じる場面もありました。
(保育士 E 女性)

IMG 88922今年の4月、国の教育施策の改訂によって、保育園や幼稚園などの幼児教育と学校教育が、ある言葉で一本に繋がりました。それは、「主体的・対話的で深い学び」という、ちょっと小難しい言い回しの文言でした。

一方的な知識や技術の受け手としてではなく、自分たちで関心を持って、他者と語り合いながら、実感を通して学んでいこう…ということ…これでもまだ難しいですね。

例えば、AI時代に入ると、今の職業の半分がなくなると言われていることを考えると、仕事は探すのではなく、作る時代に入っていくのかもしれません。温暖化はどうするのでしょう、未だ止まぬ戦争はどうするのでしょう、経済的な格差はどうするのでしょう…こうした諸問題を背景に、今の教育観は形作られているようです。正解を知ることではなく、新たな正解を作り出す力が求めらている…そんなビジョンを感じます。

物事に対して、主体的であるというのは、そこに積極的に関わり、自分の思いがそこに影響を与えていくということ…つまり、それが参画するということなのですが、参画した経験がなければその術もわかりません。毎日の生活の中に参画する習慣がなければ、さらに言えば、思いを問われ、声を聞き取られ、それが位置づいていく経験の積み重ねがなければ、物事を主体的に考えていくようになることは、難しいことだと思うのです。

今回の試みも、まだほんの小さな一歩です。私たちの聞き取り方も荒削りで、まだまだ未熟です。それは、保育界で、教育界で、社会全体で、積極的に子どもたちに参画を促すことをしてこなかったから、とも言えるような気がします。

みんなの参画が溢れる場所には、「自治」が生まれます。子どもたちによる保育園の自治が、どこまで可能なのか…私たちは、それを探しに出かけてみたい思っています。

丸(●)ごと参画(▲)する資格(■)…それが、子どもにもあるはずなのです。

(平成30年10月号 園だより「ひぐらし」より)

2通の返信 to “●ごと▲する■”

  1. 中村 より:

    すごい!!
    びっくりです こんなうんどうかい Uチューブで見れます?
    「いいね」ボタンを探したのですが・・・

    https://www.instagram.com/nakano_kd/ 時々作ってます

  2. hige より:

    「いいね」ボタンは、コメントを書き込む画面に切り替わると、表示されなくなるみたいですね。「コメント」をクリックする前の最初の画面だと「いいね」ボタンも表示されているようです。

返信する