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育ち方を探しに

 来年度の移行へ向け、手続きを進めている「認定こども園」。先日、その認可を得るためのプレゼンテーションを行うため、八王子市役所へ出かけました。
 そこは、こども園に移行する必要性や意義を、有識者で組織される認可部会の委員の面々に説明する場。

 保護者のみなさんにも、その思いを知っていただければと…少し、堅い文章なのですが…その時に配布した資料の一部をご紹介します。

「目指したいこと」

 人は生まれ落ちた境遇によらず、その生きる道筋は限りなく自由で、また平等な機会に恵まれていくことが望まれています。そして、乳幼児が集う施設というものも、家庭の次に出会う初めての居場所として、子どもたちの個性や家庭の価値観に応じて、柔軟に丁寧に選び取られていくことが大切なことだと考えます。

 本来持っていた家庭や地域の機能が発揮し難い現代、それに変わる、子どもたちが育ち合っていく場、家庭が集い協働していく新たな場は、どんな境遇の家庭でも集うことのできる開かれた場であることが理想です。そして、そうした地域の人々のもう一つの居場所、育ち合いの場を目指して位置づけられたのが、幼保連携型認定こども園だと考えています。

 ただ、そうした新しい地域社会のあり方や、その枠組の構築はまだまだ途上で、これからの社会で必要となっていく力を、子どもたちは「どこで」「どのように」育めばよいのか、また大人たちはその働き方も含め、今をどう生きればよいのか、その模索は当分続くように思われます。

 それは答えを探すというよりは、失敗を恐れずに試行錯誤を重ねながら、子どもや保護者をも包む地域のみんなで、新しい答えを創り出すという営みで、それはきっと、今までよりずっと創造的な道のりになるような気がしています。そして私たちが、こうした新しい地域社会の形を模索する歩みへ貢献していくということは、この新しい幼保連携型認定こども園の中で、「育ちを探求する場」を醸成することなのだと考えています。
 
 それは、ささやかで小さな挑戦なのかもしれませんが、これからの日本の幼児教育・保育のあり方を模索する新しい実践を、私たちからも発信していけたらと思っています。

 待機児童の受け皿の拡大と止まらぬ少子化の進行の中、八王子市の保育園では、徐々に「待機児童の解消」といった役割を終えようとしています。

 そうしたことを見据えながら、もう何十年も議論の絶えなかった保育園と幼稚園の2元化の問題に、終止符を打つべく導入された「認定こども園」。制度としてはまだまだ未熟で、とてもわかり易いとは言えない代物なのですが、ともかく、保育の「量」から「質」に向けた動きが、ようやくここから始まっていけば…そうした期待感も持っています。

 そしてこれは、これからの時代を見据えた「新たな育ち方」の模索の始まりとも言えます。園任せでも、家庭任せでもなく、地域や職場、行政も一緒になって悩み、考える…子どもを真ん中に置いた、新しい社会作りの始まりの合図…そう考えてみたいのです。

(令和2年11月号 園だより「ひぐらし」より)

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